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北川村のゆず

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〜ゆず香る里〜北川村について

北川村

四国高知県東部に位置する北川村は、人口1200人ほどの小さな村です。平均標高412mの山間地にあり、年間を通じて温暖多雨で、昼夜の気温差が大きいため、ゆずの栽培に適しています。

村の中央を流れる奈半利川は天然鮎の宝庫であり、上流には日本有数の杉の産地があります。また印象派の画家クロード・モネの庭を再現した、北川村「モネの庭」マルモッタンや四国有数の泉質を誇る「北川村温泉」などの観光施設もあります。

村民の多くがゆず栽培に関わっており、毎年11月になると村中がゆずの香りに満たされます。


ゆず栽培の歴史

幕末の英雄、中岡慎太郎がゆず栽培を奨励

北川村は幕末の英雄の一人、中岡慎太郎の出身地です。この中岡慎太郎こそが、村民にゆず栽培を奨励した人物です。

中岡慎太郎は庄屋見習いの時、この地に自生のゆずが多く実っていることに着目して、食料保存のためにゆず栽培を奨励したそうです。昭和40年頃、林業やコメ栽培の衰退を期にゆず栽培で生計をたてようと、いち早く産地化に取り組みました。北部の農地6.5ヘクタールから始まった挑戦は村全体に広がり、現在は100ヘクタール以上の栽培面積に。平成に入ってからは海外出荷がスタート。ゆずの香りに夢を乗せて世界へのチャレンジは続いています。

1858年頃(安政5年頃) 中岡慎太郎が村人にゆず栽培を奨励。
1965年(昭和40年) 北部地区6.5haに7300本のゆずを新植。農業としてのゆず栽培が始まる。
1971年(昭和46年) 一挙に23haゆずを新植し、目標面積100haのゆず産地形成がスタート。
北川村農業協同組合に柚子部が発足し、共同出荷体制が整う。
1974年(昭和49年) 北川村農協に大型搾汁機と自動ビン詰機を導入。
1976年(昭和51年) ゆず農地が100haに拡大。
1994年(平成 6年) 北川村農協にゆず低温冷凍庫を整備。
2006年(平成18年) 北川村ゆず王国株式会社が開業し、ゆず食品加工業を始める。
2007年(平成19年) 北川村ゆず振興協議会が発足し、村を中心とするゆず振興がスタート。
2009年(平成21年) 土佐あき農協北川支所に、新たにゆず搾汁処理施設(現設備)を整備。
2013年(平成25年) 土佐あき農協北川支所に、ゆず果汁熱殺菌処理施設を整備。

生産者の技術の高さと熱意こそが、品質の高さの理由

北川村ゆず農家さん

北川村ゆず

現在の生産者の主流メンバーは、昭和の転換期の思いを受け継ぐ二代目が中心です。生産者は、メンバー同士で学び合い、技術を高めています。そして、若いメンバーや北川村でゆずを育てたいという移住者に、その技術や知識を惜しみなく伝え、北川ゆずの栽培技術の継承とレベルアップに貢献しています。

生産者の一人の言葉です。「進化しなければ伝統は守られない」。常に土と語り、天気のご機嫌をうかがい、来年の出来を想像する」。

ゆずを愛する生産者のたゆまぬ努力で北川村のゆずは上品で香り高い品質本位の商品を世界へ出荷し続けています。


「北川のゆずは、ほどよくまろやかな酸味で皮もふっくら。とても繊細な風味」といわれます。

北川村ゆず農家さん(1) 北川村ゆず農家さん(2)

「今年も一年生、来年も一年生。

木に習い、常に良い商品を、北川ゆずを次の世代へつなぐ。」

「実生」ゆずと「接ぎ木」ゆず

実生のゆず

現在、ゆずのほとんどは接ぎ木で栽培されています。北川村には、種から育った「実生のゆず」が現在も多く残されており、古い木は慎太郎時代のものといわれています。

実生のゆず酢は、風味や香りが接ぎ木より強いとされ、地元や食通から高く評価されています。高知大学沢村教授の研究(2006年)でも、接木と比較して、実生に有機酸などの食品成分やリモネンなどの香気成分がより多く含まれることが報告されています。

北川村ゆずは品質基準を満たし、EUへの青果輸出を開始

2010年シンガポールの食品展示会(FHA)を皮切りに、翌11年フランスのパリの二つ星レストランでゆず試食会を開催。現地のシェフやパティシエなどが参加し、レモンやオレンジとも異なる上品な芳香に海外の料理人たちも魅了されました。そして「丸ごとの生のゆず玉が欲しい」と要請があり、EU輸出のための整備が進められました。

農薬基準の厳しいEUの栽培条件をクリアするために、専用農場を作るなど試行錯誤の末、2012年11月ゆず青果玉を航空便でフランスに向け、初出荷しました。

その後、コロナ禍を除き輸出量は右肩上がり。フランスを初めとするEU各国やアメリカ、アジアなどに輸出されています。

2009年(平成21年) 北川村輸出促進協議会設立
2010年(平成22年) フランスへゆず果汁初出荷
2011年(平成23年) シンガポールの食品展示会FHAに出品
フランスでゆず賞味会開催
2012年(平成24年) 9月 北川村でゆず賞味会開催
10月 フランスの食品見本市SIALに出品
11月 ゆず青果玉をEU(フランス)に初出荷
2019年(平成31年) UAEの食品見本市Gulfoodに出品
現在 世界19カ国以上に輸出実績
EUへ輸出

ゆずの出荷スケジュール

出荷は8月ごろより青玉11月ごろより黄玉、果汁を出荷しています。

ゆずの出荷スケジュール

花咲く春(3〜5月)

春

白い可憐な花が咲く5月。風に乗って爽やかな香りがふわり。ふわり。生産者にとっては花に寄ってくる害虫駆除の季節でもあります。


我慢の夏(6〜8月)

夏

草刈りや消毒の季節です。草を刈りすぎても、消毒をしすぎてもいけません。この時期は大雨や台風にも注意が必要です。青玉の出荷も始まります。


努力実る秋(9〜11月)

秋

生産者にとって喜びも満ちる収穫。同時に一年の成績発表の季節でもあります。最盛期の11月は村中にゆずの香りがただよいます。


語らいの冬(12〜2月)

冬

春の芽吹きに備えて、木と葉を見て剪定。土づくりも大切な仕事。次の収穫に向け、木と土のご機嫌を伺いながら準備を進めます。


産業振興

生産者・JA・企業・行政が一体となってゆずの産業振興に取り組んでいます。

村内にJAの出荷場と搾汁加工施設や民間の加工品製造工場があり、生産者が安心してゆず生産に取り組む環境が整っています。

村(行政)は、それぞれの活動を支援するほか、圃場整備や新規就農者育成など将来へ向けた産業振興事業を進めています。

JA高知県 北川ユズ加工場

JA高知県 北川ユズ加工場

農家から委託を受け、ゆずの青果出荷や果汁の販売を行う。現加工設備は2009年に整備し、高知県版HACCP認証取得。収穫時期にはゆずを荷台に積んだ軽トラが列をなし、北川村の秋の風物詩となっています。

〒781-6441
高知県安芸郡北川村野友甲614-1
Tel.0887-38-5559


北川村ゆず王国株式会社

JA高知県 北川ユズ加工場

2006年に村が誘致した、ハチミツ販売王手サクラ印グループ会社。ゆず加工品の製造販売はもちろん、ゆず果汁・ペーストなど原材料も販売。

〒780-6443
高知県安芸郡北川村加茂236番地1
Tel.088-883-5888


北川村の産業振興事業

 

北川村の産業振興事業

国に働きかけ創設された「北川モデル」と呼ばれる中山間地圃場整備事業や農業研修事業による起業家農家育成など、ゆずを中心とする産業構築を推進しています。

【北川村産業政策課】
〒781-6441 高知県安芸郡北川村野友甲1530
Tel.0887-32-1221

 



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