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ゆず農家 File.05 番外編 村に新しいゆず仲間がやってきた

村に新しいゆず仲間がやってきた

北川村ゆずを未来へつなぐ力になれるようがんばります

北川村のゆず農家を紹介していくレギュラーコーナーのこちらですが、今号は番外編。昨年末に村にやってきた、新しいゆずの仲間の紹介です。尾野直郷さんと今吉祥さん。これからさらに高齢化が進む村にとって、若者のゆずへの従事は必須。それぞれの暮らしの転換として、村でゆずを育てていくと決めた2人にお話を聞きました。

なぜ2人は北川村でゆず農家を目指そうと思ったのでしょうか?

尾野「もともと僕は関東で働いていたんです。そのころは仕事が忙しくて、毎日家に帰ったらコンビニ弁当という生活をしていました。それが続いて、体調を崩してしまったんです。それで自分の今までの人生を見直して、少し考えてみようと。そこで農業が頭に浮かんだんです。出身が安芸だったので、地元の友達に紹介してもらって、安田町でゆずの収穫体験をしたのがきっかけでした。メロンとか茄子とか、いろいろ選択肢はあったんですけど、なぜかゆずが楽しかったんですね。それで自分で北川村役場に連絡して、ゆず農家さんにお話をうかがって、いろいろアドバイスをいただき、昨年の9月に北川村に引っ越しました。役場も親切に家の手配などのケアをしてくださって、ありがたかったです。いまは久江ノ上の松﨑一志さんについて、一からゆずを教えてもらっています」

今吉「僕は岡山県出身なんですけど、高知大学だったので市内に住んでいたんです。でも大学時代は高知とゆずはあまり繋がっていなかった。市内にいたらゆずの木はあまり見ないですから。でもあるときなにげなく焼き魚に柚の酢をかけたら、香りがすごかったんです。こんなすごいものを高知で作っているのかって。それで、縁あって『北川村ゆず王国』に就職しました。品質管理と商品開発を5年。昨年退職するのをきっかけに、村の方から『ゆず農家をやらないか』と誘っていただいたのがきっかけです」

じゃあ今はそれぞれ先輩のゆず農家さんについて、勉強中なんですね?

尾野「はい。僕は松﨑さんに教えていただきながら、自分の畑を持つ準備をしています」

今吉「僕は田所正弥さんに田んぼだった土地を借りて、久府付にゆずを植える予定です!」

尾野「でも村に来てわかったんですけど、農家の先輩がみなさんすごいんです。松﨑さんは1本1本の木を本当に大事にしていて、ゆずがほんとうにきれいなんです。それからいつもは穏やかな正弥さんが、ゆずの収穫モードに入ったときの収穫スピードもびっくりしました(笑)」

まだ村に来て日が浅いと思いますが、やってみてどうですか?

尾野「北川村のみなさんが暖かく迎え入れてくれて、とても暮らしやすいです。まわりの農家さんを紹介してもらったり、イノシシや鹿肉を食べる宴会に呼んでいただいたりして、作業ではない部分でも声をかけてくださるので、とても助かっているし、それがうれしいですね」

今吉「僕も同じですね。村の方が親切なので、楽しく働かせてもらっています。それから僕は猟の免許を持っているので、北川で猟ができるのも楽しみですし、海も近いから趣味の釣りもできるので、それも楽しみですね」

ありがとうございました。お2人は今後どんなゆず農家になっていきたいですか?

今吉「まだまだ正弥さんから学んで、いいゆずを作れるようになりたいです。そしてまずは一町(ヘクタール)の収穫を目標にしたい。久府付は比較的平地で、実が大きくなりやすいんです。面積が少ないうちは9月から出荷できるカラーリングという手法で、単価の高いものを作ったりと、きっと工夫も必要だと思います。それから兄が大阪にいるんですが、将来的には僕のゆずで、大阪でなにか一緒にできたらいいねと話しているんです」

尾野「うーん、難しいですね。目指すゆずはまだ決まっていません。農薬をかければきれいになる、というわけではないし、まずはもっと学びたい。そしてゆずの木とどう向き合っていくか?を自分で見つけたい。将来的には、誰もやっていないことをやって、北川村をもっともっと広めたいです。都会とは生活環境が違って、北川村は不便なことも多いですが、でも自然がいっぱいで素晴らしいこの村を、もっとたくさんの人に知ってもらいたいですね」


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